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スコアリングが経営者のあなたに必要な理由

人は報酬をもらって働くのに、それ以上にしんどいスポーツを、
時にお金を払ってまでするのはなぜでしょうか?
目標設定、利益改善の分野で世界的に名を知られているチャールズ・A・クーンラットによると、

「私たちは、やる気の湧くもの、目標がはっきりしているもの、
進歩の度合いが明確に示されるものに惹かれるのである。

         −チャールズ・A・クーンラット−

と言っています。
もしそんなものがあれば、会社が劇的に良くなると思いませんか?
従業員が自らやる気が湧いて、経営者だって事業の状態がきちんとわかる
ような点数の付け方なんてあるんでしょうか。
もしあるとすればどんな方法か探ってみたいと思います。

親が子供に違うことばかり言っているとどうなるか?

混乱しているのにやる気が起きる人はいません。
子供に対して毎日違うことを言ってしまったらどうなるでしょう。

「良い成績をとりなさい」
「体育を頑張りなさい」
「友達と仲良くしなさい」
「ルールを守りなさい」

もちろんこのような話は全部大切なことですが、多数の相反するメッセージを
聞きすぎると子供は混乱します。
そのうちどれかできないことがでてくると、

「がんばってももムダじゃないの?」
「あきらめた方がいいのかな」

という考えになってしまうようです。
親は子供に何を期待するかを明確にして、子供の意見や目標も考慮する。
子供が勝つすべを知らないと反発するか、混乱してどのメッセージに対しても
良い結果は生まなくなる、ということは体験的にわかることじゃないでしょうか。
伝えたいメッセージがたくさんあっても、その根底にある本当に大切にしてほしい
メッセージを伝えてることによって、子供の方も混乱せずにそれぞれのメッセージや
アドバイスを受け取ることができるのだと思います。

一般的な人事評価はなぜ受け入れてもらいにくいのか

これは私も耳が痛い話です。
スポーツと違って会社の人事評価の特徴ってなんでしょう?
一番の違いは、スポーツの得点、スコアリングはポジティブな作業です。

野球を例に挙げてみます。
一流のバッターでも10打席中3回ヒットにすると、良いバッターということ
になりますが、ここでもし残り7回の三振やアウトを数えることにして、
それを割合で出すということにすれば、とたんにつまらないイメージに
なってしまいます。

打率何割というのではなく、三振率何割、得点圏アウト率何割、なんてしない
ですよね。
同じ結果を表しているのに、ネガティブなことにフォーカスした数字を出さない
のは、おそらくもともと娯楽から始まっていることが理由だと思います。
楽しむためにしているのに、マイナスなことを想像させるようなことはしません。

でも人事評価(考課)、なんて聞くとだいたいの企業が、

「そんなこと分かってる、だから達成度を示せるように工夫してるよ」

と言わんばかりに自信満々の人事評価制度を敷いていますが、本当に意味が
あるんでしょうか。

「規律性」
「協調性」
「積極性」
「知識・技能」

など何十項目もの欄があり、それぞれSABCDくらいの五段階があり、
自分の評価と上司の評価が加味されるらしいですが、こんなの客観的な評価に
なるわけがないし、実態を表すことができるわけないと思いませんか?
いやそれでも、ないよりはましなんだから仕方がないじゃないかと思うのが
普通かもしれません。

かくいう私もマレーシア時代に同じようなことをしていました。
私は基準を「利益」において評価をする方法を考えて運用してました。
今から思うとなんて無知だったんだろうと恥ずかしい限りですが、まだ感覚的な
ことを自己評価させて、それを上司である私がまた感覚的な評価をする、
ということよりはまだマシだったとおもいます。
具体的にはタイムイズマネー、つまりどの製品をどれくらいの時間で制作したか、
を測定し、実際にその製品を販売して得られる利益がいくらになったかを常にフ
ィードバックし、次の見積り金額に考慮したり、それぞれの作業者の給料に
反映したりするというシステムでした。
でもこれは作業者からすると全然楽しくもないので、最終的にごまかしたり、
形だけのシステムになってしまうことが、今なら予測できます。
では方法はないのでしょうか。

稲盛和夫さんも実はこれを導入していた

「アメーバ経営」で知られる稲盛和夫さんはたくさんの経営本をだされています。
彼はこのことをJALの再建に積極的に使いました。

キミたち実は勝っていたよ、と2カ月後に試合結果を教えられても、
ちっとも燃えない。3万人の団体戦では自分が貢献できたかどうかも
分からない。しかし一〇人のチームで毎月、勝敗が分かると
『やったあ』『残念だった』と社員が一喜一憂する。
かつてJALは泣きも笑いもしない組織だったが、アメーバで
生きている会社になった
−「アメーバ経営公式サイト」より引用−

アメーバ経営では、組織をアメーバと呼ぶ小集団に分けます。
各アメーバのリーダーは、それぞれが中心となって自らのアメーバの計画を立て、
メンバー全員が知恵を絞り、努力することで、アメーバの目標を達成していきます。
そうすることで、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加
する「全員参加経営」を実現しています。

人事評価をする目的は、会社の発展以外にありません。
会社の発展はその中にいる人たちの成長がない限りあり得ません。
人の成長は賛否両論あるかもしれませんが、楽しいことや喜びがないと難しい
のではないでしょうか。
そのロジックでいくと、稲盛さんが言うように、スコアリングは、

①日々その得点が分かるように
②得点の項目はプレーヤーが納得する評価基準で
③得点することが喜びになるような項目で

する必要があるようです。
ただ一方で「何を、いかに」測定するのか?という疑問が浮かびます。

ビジネスはチームプレー、だけど個人個人にそれぞれの役割がある

サッカーにはいろいろポジションがあります。ゴールキーパー、右左サイドバック、
ミッドフィルダー、フォワード、センターバックなんていうのもありましたよね?
適当にしゃべっています(笑)。
ゴールキーパーの評価基準に得点率を使うのはナンセンスであることと同様に、
それぞれのポジションで測定されるべき項目は違うはずです。
会社も同様に、新規案件を取ってくる人、図面を書く人、実際に加工する人など
色んな役割があります。
一般的な人事評価は、こういう状況を無視して作るために歪みが生じます。
いや、上司に「報・連・相ができているかできていないか」はどのポジションでも
大切じゃないかと言われるかもしれませんが、その上司の能力がとても低い場合
には意味を成さないし、客観的な評価基準にはなり得ないと思われます。
それだったらサッカーの得点や、アシスト数、シュートセーブ率のように上司から
だけでなく誰から見てもわかる評価基準を作れば、これはプレーヤーにとっても
楽しいし、積極的に積み上げたい評価基準になるのではないでしょうか。

ここまで見てきた内容をまとめると、

①その役割で良い結果を出すにあたり、最も重要なポイントをスコアにする
②毎日得点の状況を確認できるような項目にする
③得点を付ける本人が納得する項目で
④得点することが喜びになるようにする

となります。
じゃあ実際どうやってそのスコアカードを作るんだ?となりますよね。
これは小さな会社の場合それぞれ個人個人と話し合うしかない、というのが
結論です。
いったんその項目が決まれば、過去のデータも確認して、現実的に達成可能な
数値を設定する必要もあるでしょう。
いずれにしてもこの方法だと全員が目標を達成して勝者になることができます。
(従来の方法だとどうしても社内に順位ができてしまう)。
あなたの会社でも是非検討してみてください。
それぞれ個人個人にまず話してみると、それぞれ意外なところに価値基準を
置いていることがわかるかもしれません。
それをスコアにできるはずです。
具体的な事例、ルールの決め方はまた次の機会に。

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