実録!インタビューシリーズ第三弾

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有限会社平野製作所
平野 暁彦さん 

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大阪府柏原市のフライス加工専門の会社の二代目である平野さん。
この方いろんな意味で珍しい方なのでご紹介したいと思います。
きっかけは、いつものように普段お会いする方々とは違う毛色の人種を
インターネット上で探していて発見したことに始まります。
(この書き方だと珍しい生き物を発見したみたいな表現ですが、あながち間違っていません笑)。

ポイント① 「元薬剤師」

日本中探しても薬剤師の資格を持つ町工場の経営者はほとんどいないと思われます。
試しに今グーグルで「薬剤師 町工場」で検索すると上から下まで平野さんのブログホームページがヒットします。

大学、大学院で研究を続ける中、身近で起こったある事件がきっかけで色々と考えるようになり、
家業を継ぐことを決意したとのこと。
平野さんが起こした事件ではないので、聞きたい場合は直接会いに行きましょう。

ポイント②  「発信する情報が多い」

いまだにホームページすら持っていない町工場が多い中、フライス加工に関することはもちろん、
それ以外の工具の情報、技術の情報、果てはおいしいお店の情報まで発信されています。
(私はホームページ制作も生業としていますが、はっきり言って情報量では完敗です)

10年、15年前と違い、今やホームページも作っただけでは誰も訪れることのない場所になってしまいます。
「そんなに言うことも書くこともない」と思ってしまいがちですが、探せばあるものです。
平野さんを見習いましょう。
(お前がや!というツッコミはなしでお願いします笑)

ポイント③ 「事業を多角化している」

平野さんはメイン事業のフライス加工だけにとどまらず、代理店事業、販売事業にも乗り出しています。
モノづくりに関わっているとついつい忘れがちですが、「顧客に価値を届ける」ことは
「モノづくり」だけではありません。他人が作ったモノでもサービスでも、
相手の役に立つことならなんだっていいんだ、という基本を思い出させてくれます。

ポイント④  「海外のことを見ている」

日本はモノづくりで世界一の国、という印象を抱かせるテレビ番組もこの頃では多くみられます。
ある面で当たっているでしょう。
私自身もモノづくりを一緒にするなら日本人かドイツ人を選んでしまうかもしれません。

でも本当にそうでしょうか。
平野さん自身も台湾や中国などの国とお取引されています。
もちろん価格の面などの優位性があるなどの実利的な理由があるからなのでしょうが、
海外の会社と取引したり、実際に行くことで、実際の日本のモノづくり事情を良く知ることができます。
良い面も当然わかるのですが、うかうかしていられない、というのが実感じゃないでしょうか。
私たち小さな事業体は、「日本のモノづくりはスゴい!」と言って慢心することなく、
チャレンジしていきたいところですね。

ポイント⑤ 「イチローに似ている」

はい、写真でみるとそんなに似ていない、と思われるかもしれません。
実際平野さんご本人に確かめたところ、そんなに言われることはない、とのことです。
つまり何度かは言われているはずです。
でも何度見ても、特に笑顔がイチローそっくりなんです。
やっぱり一流のプレーヤーは顔も似てくるということなのでしょうか。
(下の写真はマリナーズに復帰したイチローの好プレー)

出典:ライブドアニュース – livedoor


さて、平野さんの5つのポイントをご紹介してきました。
それを踏まえた上で今回の実録インタビューで際立った点を抜粋してお届けします。

「これからのモノづくり事業経営者に求められること」

普通の営業マンは「ウチはこう、ウチはこう」(と営業するだけ)となるじゃないですか。
「要らん」で終わりますよね(笑)。行くところまちがえてるんですよね。
要は「あなたのココ助けさせてください」が一番やっぱりグサッとくる(心に響く)。

エジソンがビジネスマンとしてすごいのは、その元になる発明、一番有名なのは「電球」ですよね、
アレなんかはみんな欲しがるじゃないですか。
エジソンがすごいのは自分の発明を欲しがりそうなニーズにばっちり手を伸ばしている。
モノづくりの社長もこれを見習わないといけなくて、「自分は何できる」ここばっかりなんですね。
でも作ったモノを欲しがる人はどこにおるかをリサーチする、そのためにはそこに行く、
というのができない人が多いのではないか、と思います。

「お客さん候補の『種族』を見極める」

僕らより上の世代の社長さんたちは切り込みにいかなくても相手から来てくれていた時代だったと思います。
時代が変わって僕らの時代はモノがあふれている時代で人間の物欲がどんどん下がっています。
似たようなモノもいっぱいあります。
「フライス加工」にしても「旋盤加工」にしてもやるところはいくらでもある。
それを分かったう上でお客さんにどうやって売り込むかは、同じものでも切り込み方、
相手のリアクションは違う。
ではどうやったらリアクションが変わるかというのは「テスト」していかないとしょうがないんですよ。
ダイレクトメールでやったらどうかとか、飛び込み訪問でやったらどうかとか、電話したらどうかとか、
それによって製造業だけでなく、そのモノを欲しがりそうなターゲットとなるお客さんは
どういう「種族」なのか(を考えないといけない)。

「モノづくり事業経営者にとって一番大事なことはひとつだけ。それは・・・」

人間の性格の偏りがあると思います。
政治家、スポーツ選手、金属加工。絶対この人たちの性格は違うと思います。
就職する時に、「自分の性格はこうだからこういう職業に就こう」といきますよね。
ということはこの時点で、世の中の職業は「性格で分かれている」と言えると思います。
手先が器用な職人さんとして、すぐイライラしてしまったら仕事できないじゃないですか(笑)。
「俺は動きたいねん」だったらスポーツ選手とか。
性格があるから、自分の持ってるモノを売るところを決めたら、
その人たちはどういう性格かをリサーチしないといけない。

「リサーチの方法がわからない」という人もいるが、それはもう会うしかないんですよ。
それしかない。だからいうなら「人」、「会う」それだけ(笑)。それで覚える(笑)。
それだけですよ。それをしないで手をこまねいている人がいっぱいいます。

以上が若手モノづくり経営者、平野さんのインタビューです。平野さん、貴重なお時間をありがとうございました。

まとめ
モノづくりといっても、「モノ」中心に考えていてはいけない。
あくまで相手、ユーザーが何を求めているかに焦点を置いてモノを作らないといけない。
そのためには「人に会う」しかない。

切れ味鋭い平野さんのビジョン。
私が思う平野さんの最も優れているところは「自分の考えを持ち、表現する」の一言に尽きます。
長年経営者をしているあなたも色んな考えや信念を持っていると思います。
それを表現すると、時として人を遠ざけてしまうこともありますが、
それ以上に「相性」の良い人を引き寄せる力にもなります。あなたはどう思いますか?(完)

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