事業経営者が考える「引退」

先日お客さんとお話ししている時に、引退後の生活に
ついて考えておられることをお話しされており、
「あーそういえば引退後のことは皆さん色々考えておられるかも」
と、ブログのネタにさせていただくことにしました。

早速本題に入りたいところですが、その前に私の「経営者の引退観」
にすごく影響を与えたあるストーリーについてご紹介したいと思います。

 

役目を終えて一週間で旅立ったある男性のストーリー

 

今から2年前、知り合いのある方が99歳でお亡くなりになりました。
その背景を知る前、私は

「事業で老後資金ができたら50代で引退というのもアリかな」

などということも考えていました。
もちろん遊び回りたいとかいう理由でもなく、
いろんな選択肢を持っておきたいな、
という程度のものです。

しかしその方が亡くなったことと、その状況を
聞いた時にその考えは消え去りました。

そのお亡くなりになった方(以後Aさんとします)が
99歳でお亡くなりになるちょうど1週間前、
Aさんの奥様が15年の寝たきりの末にお亡くなりになっていました。

その15年間、ほとんどの看病をご主人であるAさんが勤め上げたそうです。
そしてその役目をきっちりと終えて、この世を卒業されました。

 

人は何のために生きているのか

 

この話を聞き、私はそれまで「引退できる資金ができれば引退するのもアリ」
なんて考えていた自分が猛烈に恥ずかしくなりました。

人間、大人であろうが子供であろうが生まれたからには
何かの役目があるんだ、ということを再認識したわけです。
「人は何のために生きているのか」という命題は
太古の昔から繰り返し投げかけられる疑問です。

「生きる知恵を伝えるため」という人もいたり、
そもそも意味なんてないという人もいます。
私は「より良い人間になるため」と信じていますが、
それに加えて誰しもが与えられた役目、係があるのだと
改めて教えていただいた出来事でした。

奥様の看病という役目をきっちりと完遂して、
この世を旅立たれた様子をお聞きした時には
衝撃とともに「お見事!」と心の中で絶叫しました。

ということで、私は死ぬ時まで人間の活動、
人生に引退はないと考えています。
たとえ経済活動から離れることがあっても
社会や誰かのために頑張りたいなと思っていますので、
読者であるあなたのお役に立てるならどうぞお使いください。

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