
モノづくり企業のデータ、
書類の管理を上手にする方法
(ERP構築)
DAY3 「データ処理の範囲を決める」
今日のテーマは、「データ処理の範囲を決める」です。
ソフトやサービスでデータを自動処理し、
- 早く
- 正確に
- 分析する
ことができるわけですが、
社内の事務作業をすべてやろうとすると
莫大な予算が必要になります。
自社で、社内の人員だけでそのような仕組みを
作ろうとすることはとても素晴らしいことです。
しかし、いきなりそれらすべてを達成しようと
すると失敗してしまいます。
過去私自身のケースでいうと、成功はしましたが、
膨大な時間と労力、予算も費やしました。
(1ヶ月はそれだけに集中し、その後導入に
こぎ着けるまで半年ほど要しました)
ただ私のケースでは、
- 社外、社内の仕事すべてに精通していた
- ITの知識があった(協力者もいた)
- スタッフの事務処理能力が高くなかった
(導入効果が見込めた)
というラッキーな面がありました。
こういうケースは稀なので、おすすめするのは
「将来自動化できる事務処理はすべて自動化することを
見越しながら、最初は小さく始める」
です。

データ処理するのに必要な4つの要素
モノづくりの会社にとってデータ処理すべきものは
だいたいこんな感じです。
- 見積書、請求書、発注書などの対外的な経理書類
- キャッシュフローや見積り作成フォームなど
内部の経理書類 - 社内の業務、製造などの予定表
- 勤怠などの従業員に関わる書類
細かく見ると、他にも色々ありそうなものですが、
このあたりの項目を抑えておくと派生して作成
できるものが多いと思います。
なのでこの4つの項目のうち、まず最初にどれを
導入するかを決めてください。
一個だけ、ということはないと思いますが、
1と2なのか、1と3と4なのか、
色んな組み合わせが考えられますが、
いきなり4つともすべて、というのは大変なので
おすすめしません。
(それでもやりたい、という場合は覚悟と予算を
たっぷり用意しておいてください)
今回のワンポイント
「近い種類の書類、データの統合から始める」
社内でERP(参照:オービック)のような統合業務ソフトを
作ろうとするには、現実的にはエクセルになると思います。
そのような時、上で挙げた4つの項目のうち
近い種類のもの、例えば
- 見積書と請求書
- 請求書と発注書とキャッシュフロー
- 勤怠管理書類と製造予定表
など関連性の近いものから始めるのが簡単で正確です。
Day2で述べたように、引き合いの識別番号さえ
与えるような形式になっていれば、それぞれ近い
組み合わせの書類を作った後に統合することは簡単です。
いきなり全部に手をつけるよりも、このように
近いものを塊として小さなお団子を作り、
その後にそのお団子をまとめて大きなものに
した方が、後でこうしたい、ああしたいという
改善点が見つかった時に、簡単に改善できます。
今回は以上です。
(つづく)