モノづくり事業の設計図が必要な理由

設計図がない事業って、ホールの場所がわからないゴルフみたいなものですよね。
そんなゴルフに誘われたらちょっと遠慮したいです(笑)。
バンカーに入っていることはわかるけど、どっちの方向に向いて出したらいいのか
わからない。
そもそもゴールに近づいているかもわからない。
なんとなく勘では近づいてる気がする!とか、一緒にプレーする人とも
仲が悪くなってしまいそうです(笑)。

前置きが長くなってしまいましたが、モノを作っている人にとって、
設計図なしでモノを作ることはほとんどないのではないでしょうか。
きちんとしたものではなくても、手書きで紙に書いたり、紙に書かなくても
頭の中に描かないとモノはつくれません。

理想的な設計図の考え方

じゃどうやって描きゃいいのよ?と考えたあなたに逆に質問します。
あなたの製品を作る時にどういう順番で設計しますか?
きっとこんな感じではないでしょうか?

⒈モノを作る目的を考える
⒉その目的を達成するために一番簡  単な方法を考える
⒊その方法に必要な材料を調べる
⒋材料を組み合わせてみて、細かい部分を調整する

おおよそこんな感じではないでしょうか。
実は世の中の業績の良い会社の設計図ほど詳細に設計されています。
大企業と言われるような企業は、この設計が優れているために、
人材が三流でも儲かる(少し言葉が下品ですが)、なんて言われています。

私たち小さな会社で人材が三流ばかりだとすぐに事業が傾いてしまいますよね。
でも設計図を描くことによってモノづくりの設計図と同じように、
次のようなメリットが出てきます。

設計図という基準があるので、

  •  事業の状態が一目瞭然でわかる。
  •  事業のどこが強みで、どこが弱みかわかる
  •  事業のあらゆる業務に基準が生まれる 

この3つがわかることによって、事業の経営の精度が格段にあがります。
私も前職で経験しましたが、

  •  今、今日の時点で儲かっているのか損しているのかオンタイムでわからない
  •  今もっとも経営資源を投入すべき箇所がはっきりとわからない
  •  半年、1年後事業がどのようになっているか予測がつかない

という悩みから解放されます。
設計図があるのでしっかり数字で判断でき、一番改善すべきところがどこかわかり、
半年、1年後くらいであればかなりの高精度で予測できちゃうんですって。

設計図は事業のバロメータ

実際従業員数100人を超えるような会社で、がっちりマーケティングを
導入している会社の事業設計図を見せてもらったことがありますが、A3の用紙に
ビッシリ、20枚くらいありました。そこまでやるかどうかはともかく、
そもそもこの設計図は日々刻々と変化する数字を捉えて、

「今現在事業は順調か」
「今経営資源を投入するべきなのはどこか」

を経営者が把握できるようにするバロメーターになります。
中小製造業の経営者って、しないといけないことが多すぎますよね。
モノを作っていない事業の経営者でもたくさんすることがあるのに、
モノをつくるということだけでもこんなに(上図「製造」参照)あります。
書いたら少ない気がしますが、これだけでも一日何時間もかかってしまいそうです。

勘の良いあなたはお気づきかもしれませんが、「マーケティング」とは
優良顧客になりそうな潜在顧客を集め、自社にとって利益にならない不良顧客を選り分けながら顧客にし、購入回数や頻度を高くして優良顧客にし、もっともっと価値を提供してファン顧客になってもらうことです。
そしてファン顧客の割合を可能な限り増やすことによって、事業の安定化に
つながります。
売上や利益の金額は、その時儲かったように見えても、すぐなくなってしまい
ますが、一度ファンになった顧客はなかなか離れませんし、売上や利益の
上下の波が安定するのは一時的な売上ではないことを経営者のあなたは
実感として持っていると思います。

私たち経営者はついつい感覚で行動してしまいがちですが、
(もちろん勘のするどいあなたなので、事業も今まで運営できているわけですが)
是非自社の設計図を作ってみてください。

 

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