ゴルフとビジネスの共通点

ゴルフをしない人にとっては、「ゴルフなんてしなくてもビジネスはできるがな」と
思っても無理はありません。
事実私だって、マレーシア時代に強制的にさせられるまでは、
ゴルフをプレーすることなんて考えてもみませんでした。

大人になって初めてクラブを握った次の日にラウンドさせられ、
インドネシア人の若い女性のキャディに「ハシレー(走れー)」と
笑われながら200以上叩いた悪夢は今でも忘れません。

それから数百ラウンドはしたと思いますが、そこで生まれた色んな人との
出会いはかけがえのないものになっていることもまた事実です。
今月お客さんと久しぶりにゴルフのお誘いをいただき、プレーすることになってので、
あらためてゴルフとビジネスの共通点をテーマに話を進めていきたいと思います。

ゴルフをする人は思い当る節があると思いますが、ゴルフは良くビジネスに例えられたり、
反対にビジネス上でもゴルフに例えた話題が出てきます。

経営者はなぜゴルフをするのか?

主な理由は二つあると思います。
理由の一つとして、経営者同士の出会いの場になるから、ということが挙げられます。
実際、私の経営者人生の最初の5年間で私が叩き出した(笑)成果の7割はゴルフ場や
ゴルフコンペでの出会いから始まったものです。

お客さん候補の会社に飛び込んで、一生懸命事業内容を説明したり、御用聞きをしたところで、
営業もモノづくりのスキルも経験も大してなかった私が、百戦錬磨の経営者相手に
通用することはなかったと思われます。
それよりもゴルフで半日、一日を一緒に過ごし、気に入ってもらえたら後は
私が売っているものが何であるということよりも、相手から仕事の機会を探したり
人を紹介してもらったりすることがたくさんありました。
周りにも同じような経験をした人がたくさんいます。

もう一つの理由は、ゴルフとビジネスが似ている、ということです。
ゴルフは他のスポーツと比べると珍しい部分がたくさんあります。ざっと挙げてみると、

スコアを自分でつける
ハンディキャップがある
他の人と話しながらプレーする
自然環境でプレーする

などなど、かなり特殊なスポーツです。
そして、球技なのに反射的にプレーするのではなく、じっくり戦略を考えて、
ゴールを目指し、しかもプレーする人によって攻略のレベルも方法も様々です。
昨日プレーした時には簡単だったことが、翌日に全然できなくなっている、
なんていうことも頻繁に起こります。

ボールが置かれている状況が千差万別、ホールまでの距離や天候で使う道具も違う、
などということもあります。
良く考えてリスクを管理し、時には挑戦しながら修正していく作業は、
考えれば考えるほどビジネスに似ています。

この二つが、経営者がゴルフをプレーする理由ですが、
この理由の裏に、ゴルフをプレーする本当の裏テーマが存在します。

ゴルフを一緒にプレーすると、人間性が丸裸にされる

最終的に皆口を揃えていうのはこれです。
「相手の人となりが丸わかりになるから」
これは本当に隠し切れません。数十分程度の面談なら、もしかすると持ち前の
演技力でカバーできるかもしれません。
でもゴルフを一緒にプレーすれば、もはやどんな役者になっても、本人が気づいていなくても、
人間性、ビジネスの進め方の趣向は相手にバレてしまいます。

例えばどゆこと?というあなたの心の声にお応えして実際にあった事例を列挙します。

ケーススタディ①

自分に厳しく謙虚なタイプと思われていた人が、ディボット(他の人がボールを打った跡のことで地面が数センチ削られているような穴)から、何食わぬ顔でボールを拾い上げて横に出し、二度とゴルフに誘われなくなった。
(ゴルフは同伴者の許可なく自分のボールに触ってはいけない。誤って触ってしまった場合2打追加)
自分に甘いタイプ、と思われた時点で一流ビジネスマンからは見向きもされなくなることは当然といえます。

ケーススタディ②

(経営者ではなかったが)やり手の営業と思われていた人が、同伴者を散々待たせているにもかかわらず、
ボールを見に行ってはカートまで帰ってきてクラブを持ち、チンタラ歩いて打つ、
(下手なのでまた変なところにいく)を繰り返し、二度とゴルフに誘われなくなったのはもちろんのこと、
仕事もこんなかんじなんだろうという周りからのイメージを最後まで覆すことができなかった。

ケーススタディ③

ゴルフがあまり上手ではない、という触れ込みでやってきた人。
私を含めて同伴者はひやひやしていた(プレーが遅くなると、一緒にプレーする人だけでなく、
後続の人にまで迷惑をかけるため)が、ゴルフルールとマナーに関してはすごく勉強しており、評価が急上昇。
スコアを叩く人はやりがちなスコアの間違いはあったが、この人は少なく間違えるのではなく、
わからなくなればスコアを多く(自分に不利に)申告する、という生真面目さで、
ゴルフは上手でないものの、皆から良く誘われて可愛がられる愛されキャラに変貌していた。
当然仕事上でも結果を残していた。
しかも、この人だけでなく、こういう種類の人はゴルフの上達も早い(ロクジ研究所調べ)

細かく挙げればもっともっとありますが、とにかくふとしたタイミングで長所も短所も
出てしまうのがゴルフの良いところです。この人と一緒に仕事がしたい、と思われるか、
その逆か、いずれにせよ割とはっきり結果が出ちゃうんですね。

良いビジネスは競争であっても、潰し合いや奪い合いではない

相手が打ちやすいように気を配る、
相手が良いスコアで上がれるように一生懸命球を探す、
後ろの組に迷惑をかけないように、前の組から離れないようにする、
人にボールをぶつけないように気を配る、

こういうことはすべてビジネスに通じるものだと思います。
自分の利益だけでなく、相手の利益はもちろんのこと、成功を優先させると、
不思議と周囲の人はそれを放っておかないもんなんだ、ということを、私は元上司から教わりました。
これが二流のビジネスマンだと、自分の利益だけに囚われてしまい、自分だけでなく周りも迷惑をこうむる、
ということが起こってしまいます。

これは綺麗ごとでもなんでもなく、地球に重力があるように、不変の法則みたいなもんだなと
最近より強く感じています。自分のスコアも頑張って良くなるようにプレーする、
でもそれよりも相手のスコアを良くしたり、楽しくなるよう努力をする。
ゴルフとビジネス、やっぱり似ていますね。
ゴルフの上手な人と回ると上達が早い、なんて言われますが、
ビジネスも良いスコアを出すために一生懸命頑張り、その利益は相手の利益をも生み出す、
世の中上手いことで来ているなぁと感じていますが、あなたはどう思いますか?

今年初ゴルフで、お客さん主催のコンペで優勝してしまった私の勇姿(笑)

コメントを残す